裏アカ後輩二人に弱み握られる
裏アカがバレた。それも、よりによって問題児後輩ふたりに。城崎は可愛い顔でじわじわ追い詰めてくるし、桜坂は好意を隠せない塩顔でこちらの全部を知りたがる。ふたりが飲み会という名目で仕掛けてきた罠の中身は、想像よりずっと執着が重くて。上巻は本番なしのまま終わるんですが、それでも読後の息苦しさがすごい一冊です。
「【上巻】ひみつのうらあかうんと」のあらすじ
会社では「いい人」として乗り切ってきた20代後半のOL。ストレスの捌け口は、誰にも言えない裏アカウントでの露出でした。彼氏の浮気、職場のいびり、問題後輩の世話係——全部それで乗り越えてきた。そんなある日、苦手な後輩ふたりに飲みに誘われます。フレンドリーすぎる城崎と、好意が顔に出まくりの桜坂。断るのも角が立つと思って渋々参加したその場で、彼女の裏アカウントの存在をふたりに指摘されて……
「【上巻】ひみつのうらあかうんと」の読みどころ
シチュエーション
飲みの席で「知ってますよ、先輩の裏アカ」と告げられる場面の緊張感がうまい。脅迫というより、ふたりが長い時間をかけて先輩を観察してきた事実がじわじわと露わになる構図で、シチュエーションの怖さより「どこまで知られているのか」という不安が先に来ます。
心理描写
城崎は羞恥を煽る言葉を選んで攻めてくるタイプ、桜坂は「可愛い」を繰り返しながら溢れる執着が止まらないタイプ。対照的なふたりにはさまれたヒロインの「嫌なのに体が反応してしまう」という感情の落差が、上巻全体の温度感を作っています。精神はまだ堕ちていない、というのが上巻の肝です。
絵柄・演出
商業男性向けで活躍してきた作者だけあって、コマ密度と表情の描き込みが別格。発汗・喘ぎの効果線が緻密で、モノクロなのに熱量が伝わります。カラー表紙の垢抜けたキャラデザとモノクロ本文の劇画寄りの描き込みの落差が独特で、それがかえって場面ごとの体温を上げていました。
「【上巻】ひみつのうらあかうんと」のストーリー展開
- 序盤
- ヒロインの日常と裏アカを使ったストレス解消の習慣が丁寧に描かれます。問題後輩ふたりへの苦手意識も伝わってきて、飲み会に誘われるまでの流れに地味にニヤニヤできます。キャラの輪郭がしっかり立っていて、この段階で既にふたりへの警戒心が芽生えます。
- 中盤
- 裏アカを指摘された後、場面が一気に動きます。城崎の羞恥煽り攻めと桜坂の執着型アプローチが同時進行で、おもちゃ使用・アナル悪戯など攻め手が重なります。「嫌悪しているはずの後輩たちに体が反応してしまう」という屈辱感の描写が中盤の核です。
- 終盤
- 本番挿入のないまま上巻は幕を閉じます。体は追い詰められているのに精神がまだ負けていない、という絶妙な宙吊り状態で「続き」へ引き渡される構成です。読み終えた後、下巻を待つ間の焦燥感だけが残ります。
「【上巻】ひみつのうらあかうんと」が刺さるのはこんな人
- 可愛い見た目のくせに意地悪な言葉責めをしてくる後輩攻めが好きな人
- 「精神はまだ堕ちていない」段階の抵抗と屈辱感の拮抗を楽しみたい人
- 複数攻めで、キャラクターごとの攻め方の違いを味わいたい人
「【上巻】ひみつのうらあかうんと」を読んだ感想
まず絵の話をしないといけない。よしとら先生は商業男性向けで長くやってきた作者で、その画力がTL同人フォーマットに来ると何が起きるかというと、表情の解像度がとんでもないことになります。城崎の「羞恥を煽るときの笑顔」と「本気の顔」の描き分けが1コマ単位で変わっていて、桜坂は「可愛い」と言いながら目の奥が執着で凪いでいる。モノクロのアップコマに情報量がありすぎて、何度か読み返しました。
乳首描写に関しては、効果線と発汗の書き込みが細かくて、モノクロなのに皮膚の温度が伝わってくる質感があります。おもちゃ越しの刺激に体が反応してしまう場面の描き方が丁寧で、「嫌なのに」というヒロインの内面の言葉と、コマに描かれる体の反応のギャップがちゃんと視覚として機能しています。セリフで言わせるのでなく、コマの構成で伝える絵の仕事がうまい。
キャラクターの感度変化でいうと、ヒロインはずっと抵抗しているんですが、その抵抗の質が変わっていく過程が上巻の読みどころです。最初は「なんでこのふたりが」という困惑と嫌悪が前に出ていて、中盤から「体が言うことを聞かない」という別の焦りに変わる。精神的には負けていないのに身体だけが先に応答してしまう、その屈辱の解像度がちゃんと描かれているのが効いています。
城崎と桜坂で攻め方が対照的なのも読みやすい理由のひとつです。城崎は距離が近くて言葉が刺さるタイプ。可愛い顔でじわじわ羞恥を積み重ねてくる。桜坂は口数が少ないぶん、「可愛い」という言葉の繰り返しと視線の執着で圧がある。どちらが好みかで刺さり方が変わりそうですが、ふたりが同時に攻めてくる場面のカオスな感じは、複数攻め好きにはかなり刺さると思います。
上巻は本番なしで終わります。ユーザーレビューでも触れられていましたが、本番がないのに満足度が出るのは、本番前の積み上げの密度が厚いから。おもちゃ・アナル悪戯・言葉責めと攻め手を重ねながら、ヒロインの精神は最後まで折れていない。「まだ負けていない」という緊張感が下巻への引きになっていて、それが上巻単体の読後感をちゃんと完結させています。
定価770円で82ページ。コスパとしては可もなく不可もなくといったところですが、1ページあたりの情報量の密度を考えると、体感は薄くありませんでした。下巻待ちの期間が長くなりそうなのが唯一の誤算です。
「【上巻】ひみつのうらあかうんと」のよくある質問
Q. 絵柄は萌え系ですか、劇画系ですか?
カラー表紙は垢抜けたアニメ寄りのキャラデザで、モノクロ本文は劇画寄りの描き込みになっています。表情のアップや発汗・効果線の密度は商業男性向け出身の作家らしいリアル寄りの質感で、可愛い絵柄を期待すると印象が少し変わるかもしれません。
Q. 攻めのキャラクターはどのくらいヤンデレ・執着が強いですか?
城崎は言葉責めと羞恥煽りが得意な意地悪系、桜坂はヒロインへの執着が異常に深い観察型で、どちらも普通の好意の範囲を超えています。ヤンデレというより「弱みを握った上で全部知りたい」という重さで、脅迫的な関係が好きな人向けの温度感です。
Q. 上巻だけで読み切れますか?性描写は本番ありですか?
上巻は本番挿入なしで終わります。おもちゃ使用・アナル悪戯・言葉責めが中心で、エロ描写の密度は十分ありますが、本番展開は下巻以降になります。上巻単体でも積み上げの満足度はありますが、続きありきの構成であることは念頭に置いた方がよいです。
TL同人文庫 編集部
TL同人レビュー班
月100作以上を読み込むTL同人専門チーム。実際に通読したうえで本音で評価しています。
3.9
- エロ
- 4.2
- ストーリー
- 3.8
- コスパ定価基準
- 3.5
- 読後感
- 4.0
本番なしで上巻が完結する構成のため、ero面での即時満足度は人を選びます。ただし表情・発汗・言葉責めの積み上げ密度は厚く、定価770円なりの読み応えはあります。続刊ありきで読む前提なら、執着後輩ふたりの対比が好きな人には手応えのある上巻でした。