清純姫、従者を部屋に引き込む
清純そうな白百合姫が、従者を部屋に招いて積極的に迫っていく。そのギャップだけで十分すぎるのに、途中から主導権がひっくり返る展開まで用意されているんです。おねショタ寄りの距離感で始まって、気づいたら二組分のイチャイチャを堪能している。前作からのカップルがどう動くか、ちゃんと期待に応えてくれる続編でした。
「聖騎士の淫情2 ~白百合の嗜欲~」のあらすじ
光の祝福を受けた白百合姫・リディア。穏やかで清らかな見た目とは裏腹に、彼女には秘めた想いがあります。ある夜、仲間とともに術の解除に向かったヴィカの従者・ニアが、なぜか一人だけ部屋へ招き入れられて。身分の差を理由に気持ちを封じてきたニアは、リディアの誘いに戸惑いながらも抗いきれず……。一方、黒百合姫・ヴィカと晴れて両想いになった聖騎士フィーロは、念願の二人きりの夜を迎えるものの、相変わらずヴィカに振り回されっぱなしで……
「聖騎士の淫情2 ~白百合の嗜欲~」の読みどころ
シチュエーション
身分差で気持ちを押し殺してきた従者・ニアが、姫に一人だけ部屋へ引き込まれる状況がまず効いています。誘う側が「清純姫」というギャップ、受ける側が「身分ゆえに断れない従者」という構図で、焦らしと戸惑いが重なる密室シチュエーションです。
心理描写
ニアは抗おうとするのに下半身が正直すぎる、という情けなさと愛おしさが絶妙なバランス。リディアも「攻めているようで実は不慣れ」な揺れが透けて見えて、途中で主導権が逆転してからの二人の変化が読ませどころです。フィーロとヴィカの側は両想い確定後の甘えた緊張感が続きます。
絵柄・演出
表紙はカラーで色気たっぷり、本文はモノクロの重厚な線で表情をしっかり描き込んでいます。コマ密度が高く、キャラの表情の変化で感情の推移を追う構成。視覚的な過激さより「顔の演技」で読ませるタイプで、リディアの崩れ顔の描き分けが特に丁寧でした。
「聖騎士の淫情2 ~白百合の嗜欲~」のストーリー展開
- 序盤
- 前作の裏側という位置づけで、リディア視点から話が動き出します。清純な姫が積極的に動き始めるまでの助走が短く、開幕からニアを部屋に引き込む展開に入ります。前作を読んでいると「ああ、あのとき裏でこれが起きていたのか」という補完が気持ちいいです。
- 中盤
- リディアに引っ張られながら戸惑うニアのおねショタ的な距離感が続いたあと、主導権がじわじわ入れ替わっていきます。後半はフィーロとヴィカの恋人初夜パートに切り替わり、ヴィカのツンデレとフィーロの大型犬っぷりが全開になります。テンポよく二組を交互に読める構成です。
- 終盤
- 二組それぞれの関係性がちゃんと着地して、おまけページに数年後のエピソードもあります。ハッピーエンドであることは明示されているので、感情の行方より「どう落とし前をつけるか」を楽しむ読み方になります。後味はすっきり甘い方向です。
「聖騎士の淫情2 ~白百合の嗜欲~」が刺さるのはこんな人
- おねショタ・年上ヒロイン攻めが好きで、途中の主導権逆転も楽しめる人
- 前作でフィーロ×ヴィカのカップルに愛着があり、その後の二人が読みたい人
- 複数カップルを一冊で読めるファンタジーTLが好きで、シリアスより甘め寄りが好みの人
「聖騎士の淫情2 ~白百合の嗜欲~」を読んだ感想
白百合姫が自分から誘いに行く、というだけで十分に食欲をそそられるんですが、このニア×リディアのパートで面白いのは乳首描写の持っていき方です。リディアが主導している間の描写は「誘惑している側の余裕」が感じられる線の細かさで、表情も微笑みが基調。ところが中盤で主導権が逆転してからは、同じキャラクターなのに表情の崩れ方と体の描かれ方がはっきり変わります。余裕が剥がれていく過程を、台詞よりも顔と胸元の描き込みで伝えてくる作り方で、モノクロの丁寧な線が活きています。
キャラクターの感度変化という点では、ニアの「抗いたいのに体が反応してしまう」という情けなさが序盤の読みどころです。身分差で気持ちを封じてきた子が、姫に引き込まれて崩れていく。でもただ崩れるだけじゃなくて、ある瞬間から態度が変わる。そこからのニアの顔が一気に大人びて見えるのは、作者の線の使い分けがうまいからです。おねショタ的な始まりかたをしておいて、終わり方がちゃんと「対等に近い何か」になっているのがユーザーレビューで何度も言及されていた理由だと思います。
作画と演出については、表紙のカラーと本文モノクロの落差をあえて活かしている印象があります。表紙で「こういう色気の作品ですよ」と明示しておいて、本文は表情と構図で読ませる。コマ密度が高く、一ページあたりの情報量が多いので、ページ数のわりに読み応えがあります。特にリディアが崩れていく場面の表情の描き分けは、同じ角度でも微妙に違う、という細かい仕事が入っていて、「この作者は顔で読ませようとしている」というのがよく伝わりました。
このサイトの読者に刺さるかどうかで言うと、メインの攻めがニアなのかリディアなのかで印象がかなり分かれます。序盤はリディアが攻めている、中盤から逆転する、という構造なので「どっちが攻めか」を決めたい人にはやや宙ぶらりんに感じるかもしれません。ただ、その曖昧さを楽しめるなら、二組分のカップルを一冊で読めるボリューム感と、おまけページの数年後エピソードまで含めて、880円の定価に対してしっかり詰まっているほうだと思います。フィーロ×ヴィカのパートは両想い確定後の「初めての夜」なので、執着や監禁方向の重さは薄め。大型犬攻めにツンデレ姫が振り回される甘さで、前半のニア×リディアのほうが温度が高いです。二組で温度差をつけているのがうまくて、読んでいる途中で飽きません。
「聖騎士の淫情2 ~白百合の嗜欲~」のよくある質問
Q. 絵柄の系統はどんな感じですか?劇画っぽいですか?
表紙はカラーで萌え系の華やかな仕上がりですが、本文モノクロは線が細かくて表情の描き込みが丁寧な、アニメ系と劇画の中間くらいの印象です。キャラの顔立ちはすっきりした美形寄りで、癖は強くありません。
Q. 前作を読んでいないと楽しめませんか?
公式でも「前作読了前提」と明記されています。ニア×リディアのパートは前作の裏側エピソードなので、前作を読んでいるほうが圧倒的に楽しめます。キャラの関係性を把握した状態で読むのが前提の作りです。
Q. 攻めのハードさはどのくらいですか?強引な展開はありますか?
強引さより「焦らしと戸惑い」が主軸です。リディアが誘う側ですが圧力は穏やか寄りで、ニアも基本的には従順。フィーロ×ヴィカのパートも甘くてラブラブ方向です。執着・監禁・支配系の重さを求めると物足りないかもしれません。
TL同人文庫 編集部
TL同人レビュー班
月100作以上を読み込むTL同人専門チーム。実際に通読したうえで本音で評価しています。
3.9
- エロ
- 3.6
- ストーリー
- 4.1
- コスパ定価基準
- 3.7
- 読後感
- 4.0
攻守が入れ替わるニア×リディアの構図と、甘さが続くフィーロ×ヴィカの二本立て構成が読み飽きさせません。定価880円でおまけページ込み95ページと詰まっている方ですが、エロの過激さより関係性の温度で読む作品です。