嫌いな婚約者が裏アカ男子で詰んだ
マッチングアプリで出会った裏アカ男子が、よりによって大嫌いな幼馴染の婚約者だった。そのうえセーフワードに彼の名前を設定してしまって、もう逃げ場がない。両片想いをこじらせた二人がひとつ屋根の下で暴走する96ページです。純愛の皮をかぶったドSな執着がじわじわ効いてきて、気づいたら引き返せない場所まで連れて行かれます。
「会いに行った裏アカ男子が大嫌いな婚約者で詰んだ。」のあらすじ
親同士が勝手に決めた婚約、しかも相手は幼馴染の将貴。昔から意地悪ばかりしてくる彼との結婚だけは絶対に避けたくて、心那はマッチングアプリで別の彼氏を探し始めます。アプリで仲良くなった「こつめ」とついに会う約束をした心那でしたが、待ち合わせ場所に現れた男は将貴に瓜二つ。でも彼は「将貴って誰?」と涼しい顔。戸惑いながらもデートを楽しんでいたはずが、気づけばホテルの部屋にいて、嫌なときのセーフワードに咄嗟に「将貴」と言ってしまって——。こつめさんの正体は、このあとじわじわ明かされていきます……
「会いに行った裏アカ男子が大嫌いな婚約者で詰んだ。」の読みどころ
シチュエーション
「大嫌いな婚約者」「マッチングアプリの裏アカ男子」「幼馴染」という三つの属性が一人に重なる設定の密度がすごいです。さらにセーフワードが「将貴」という仕掛けで、呼ぶたびに緊張が走る構造になっていて、この仕込みだけで読み手はずっと息が詰まります。
心理描写
将貴は意地悪な仮面の下に溺愛を隠しきれていなくて、行為の最中に本性が滲み出てきます。「心那」と呼ぶはずが「心那ちゃん」になる瞬間のような細かい温度変化が積み重なって、心那の側も嫌いだと言い張れなくなっていく流れがちゃんとあります。
絵柄・演出
夏尾先生の線は繊細で、アニメ塗り寄りの華やかさがあります。心那の体が弓なりになる瞬間を将貴がすかさず抱き寄せる構図など、コマの中の重力の使い方がうまい。表情の描き分けも丁寧で、感じている顔と戸惑っている顔が別物としてちゃんと描かれています。
「会いに行った裏アカ男子が大嫌いな婚約者で詰んだ。」のストーリー展開
- 序盤
- 婚約から逃げるためにアプリを始めた心那の日常と、こつめとのやりとりが描かれます。軽快なテンポで読めますが、こつめの正体への伏線がそこかしこに仕込まれていて、じわじわ落ち着かなくなります。
- 中盤
- ホテルに場面が移ると空気がガラッと変わります。言葉責め・クリ責め・潮吹きと畳み掛けが続く中、将貴の本性が少しずつ顔を出してきます。セーフワードの「将貴」を呼ぶたびに場の緊張がぐっと上がります。
- 終盤
- 裏アカ男子の正体と、二人の関係の本当のかたちが明かされていきます。純愛とドSが同居したまま着地するので、読後感は思ったよりずっと穏やかです。おまけ漫画もあって最後まで丁寧です。
「会いに行った裏アカ男子が大嫌いな婚約者で詰んだ。」が刺さるのはこんな人
- 両片想いのすれ違いをこじらせた幼馴染カップルが好きな人
- ドSな執着攻めに言葉責め・連続絶頂をセットで求めている人
- 純愛成分と濃いめのえっちが同じ作品に両立していてほしい人
「会いに行った裏アカ男子が大嫌いな婚約者で詰んだ。」を読んだ感想
結論から言うと、設定の仕込みがとにかく細かい作品です。「嫌いな幼馴染が婚約者」だけでも十分なのに、そこにマッチングアプリと裏アカ男子を重ねて、さらにセーフワードが「将貴」という構造まで作ってある。読みながら「これ、全部同時に機能するの?」と思うんですが、ちゃんと機能します。
絵柄は夏尾先生らしい繊細なアニメ塗りで、コマの密度が高いです。96ページのうちえっちシーンに入ってからのペースが速く、クリ責め・Gスポ・ポルチオと責め場所が段階的に変わっていくたびに心那の反応も変化していきます。潮吹きや連続絶頂の描写は激しめですが、絵柄が華やかなぶん湿度が高くなりすぎず、読んでいて苦しくなる手前で止まっている塩梅です。体が弓なりに反る瞬間を将貴がすかさず捕まえるコマの構図は、ユーザーレビューでも名指しされているだけあって確かによかったです。
キャラクターの感度変化でいうと、心那が「嫌だ」と言い張りながら体が正直に反応していく流れは王道なんですが、将貴の側の変化が面白い。普段は「心那」と呼ぶのに責めている最中だけ「心那ちゃん」になる、その一字の違いが溺愛の本音を漏らしてしまっていて、気づいた瞬間にわかるんですよ、ああこの人ずっと好きだったんだって。言葉責めのセリフも攻撃的に見えて、実は全部心那の反応を確認したい執着から来ている。ドSの皮をかぶった純愛、というより純愛がドSとして出力されている感じです。
セーフワードの使い方も今作の読みどころです。「将貴」と呼べばやめてもらえるはずなのに、心那がそれを使えない理由が中盤から少しずつわかってくる。使えない=止まってほしくない、という読み方ができるようになっていて、このあたりで両片想いのこじれ方がじわっと浮かんできます。セーフワードをこういう形でドラマに組み込んでいる作品はそう多くないので、新鮮でした。
このサイトを深夜に読んでいる方に刺さるポイントを一個挙げるなら、将貴の「好き」が一言も口から出てこないまま全部行動に滲み出ているところだと思います。言わないのに伝わってくる執着、というのは言葉責めと同居させるのが一番難しいはずなのに、今作はそのバランスがちゃんと取れています。続編制作決定とのことなので、???ENDの先が気になって仕方ない状態で読み終わることになります。
「会いに行った裏アカ男子が大嫌いな婚約者で詰んだ。」のよくある質問
Q. 絵柄の系統を教えてください。少女漫画寄りですか、それともアニメ系ですか?
アニメ塗り寄りの萌え系です。線が細くて表情が丁寧に描き分けられています。少女漫画の繊細さとエロ同人の密度が混在している感じで、華やかさがあります。苦手な人はサンプルを先に確認するといいです。
Q. 攻めのドSはどのくらいのハードさですか?読んでいて苦しくなるレベルですか?
言葉責めと連続絶頂はかなり濃いめですが、根底に純愛があるのが随所から滲み出ているので、読んでいて苦しくなる手前で止まっています。無理矢り要素はありますが後味は重くなく、ハピエン着地です。
Q. 96ページというボリュームは、読み応えとしてどう感じましたか?
本編に加えておまけ漫画2本とキャラ設定画が入っていて、内容の密度は高めです。えっちシーンに入ってからのテンポが速いので体感は短く感じますが、おまけでキャラの補完もできて満足度は十分ありました。