鬼幹部×勇者、両想いから世界を動かす
両想いになったはいいけど、敵同士のままじゃ一緒にいられない。だったら世界平和を目指すしかない——という、ある意味いちばん不純な動機で始まる和平交渉ラブコメです。劇画調の筋肉質な鬼と、むちむちした萌え系ヒロインの体格差カップリングはそのままに、糖度も濃度もちゃんと増量されています。
「女勇者と魔王軍幹部2」のあらすじ
魔王軍幹部エンゴクと女勇者レイナは、ついに互いの気持ちを認め合います。でも現実問題、人間と魔族が「恋人です」では済まない世界。二人が選んだ解決策は、自分たちのために人間と魔族の和平そのものを実現させること。私利私欲全開の動機で、大きすぎる目標に向かって動き出します。そこへ現れたのが、レイナを標的にする他国の勇者・ソウゲツ。敵か味方か、それとも——と思いきや、物語は予想外の方向に転がっていきます。恋人になった二人のラブコメとえっちが軸でありながら、世界の構造にもちゃんと手を入れていて、続きが気になる引きで終わります……
「女勇者と魔王軍幹部2」の読みどころ
シチュエーション
両想い成立後の「じゃあどうする」フェーズを丸ごとやってくれるのが嬉しいところです。恋人になったはいいが敵陣営、という宙ぶらりんな状況を、二人が能動的に動くことで解決しようとする流れが、ただの甘々展開に終わらない背骨になっています。
心理描写
エンゴクがレイナに対して既に溺愛モードに入っている一方、レイナ側も前作より能動的になっていて、振り回されるだけじゃなくなっています。当て馬のソウゲツが予想外の立ち位置に着地するのも、キャラへの作者の誠実さが出ていて、読後に印象が変わります。
絵柄・演出
劇画調の筋肉質な鬼キャラと萌え系のむちむちヒロインという体格差の絵的インパクトは今作も健在です。コマ密度が高く、コミカルなシーンとえっちシーンの温度差の使い分けがうまい。表情の描き分けが丁寧で、レイナの照れと欲のブレンド加減が顔に出るのが良いです。
「女勇者と魔王軍幹部2」のストーリー展開
- 序盤
- 両想い成立直後から始まるので前作既読前提の作りです。和平を目指すという大義名分ができた二人が、具体的にどう動くかを模索しながら、さっそく甘い空気を漂わせます。ラブコメのテンポが心地よく、読み始めの入りは軽めです。
- 中盤
- 他国の勇者ソウゲツが登場してから空気が変わります。レイナに対して積極的な彼の存在がエンゴクの独占欲を刺激し、えっちシーンの熱量もここから上がります。ソウゲツの扱いが当て馬としての消費に終わらないのが読んでいて気持ちのよいポイントです。
- 終盤
- 二人の関係が次のステップに進む流れが見えてきます。世界平和という大目標との距離感も少しずつ縮まっていて、3巻への期待を持ちながら締まる構成です。オマケファイルのサービスも読み応えがあります。
「女勇者と魔王軍幹部2」が刺さるのはこんな人
- 前作を読んでいて続編をずっと待っていた人
- 体格差カップリングと人外攻めが好きで、純愛ラブコメ軸のえっちを求めている人
- 当て馬キャラがちゃんと人として扱われる作品を好む人
「女勇者と魔王軍幹部2」を読んだ感想
前作から両想いになった二人がどうなるか、ずっと気になっていた人にとって、この続編はかなり誠実な答えを出しています。恋人成立後のぬるい甘々で終わらせず、「敵同士のままでは一緒にいられない」という障壁をそのまま残して、二人が自分たちのために世界平和を動かそうとする。動機が不純すぎて笑えるんですが、その不純さがかえってレイナとエンゴクの関係の実感を上げています。
えっちの描写については、前作から濃度は落ちていません。むしろ恋人になった分だけ、エンゴクの余裕と独占欲のブレンドが増していて、レイナへの扱い方に「もう逃がさない」という態度がにじんでいます。乳首描写はしっかり丁寧で、体格差がある分、エンゴクの手の大きさとレイナの華奢さのコントラストが視覚的に効いています。魔法紋様や淫紋といったファンタジー装飾も画面の情報量を上げていて、ただ脱がせるだけより数段いいです。
レイナの感度変化は今作のほうが好きかもしれません。前作では受け身になる場面が多かったのが、今作では自分からエンゴクを求める素振りを見せる場面があって、羞恥と欲求の両方が顔に出ます。その表情の描き分けが細かい。照れているのに目が逃げない、みたいな瞬間があって、そこが刺さります。
作画面では、コミカルなシーンとえっちシーンの温度差の使い分けがうまいです。笑えるコマの直後に熱量の高い場面が来ても、絵柄がブレないのでスムーズに引き込まれます。コマ密度が高めなので情報量は多いですが、読むのが疲れるほどではありません。
ソウゲツという当て馬キャラの扱いが、このサイトの読者には特に刺さるポイントかもしれません。レイナを狙うライバル的な立ち位置として登場するのに、公式でも「最終的に不幸になる当て馬はいません」と明言されていて、実際にそのとおりの着地をします。ただの障害物として消費されない当て馬は、読後感がぜんぜん違います。キャラへの作者の誠実さが、こういう細部に出ます。
本編202ページにオマケ115ページで総317ページという構成で、オマケのボリュームも本編に引けを取らない充実度です。定価1320円に対してこのページ数は、正直コスパとしては悪くないです。3巻が予告されているシリーズ作品なので、前作未読の方はそちらから入ることをすすめます。既読勢には、待った甲斐があったと言える一冊でした。
「女勇者と魔王軍幹部2」のよくある質問
Q. 前作を読んでいないと楽しめませんか?
両想い成立後からスタートする続編なので、前作の関係性や経緯を知らないと人物への愛着が薄くなります。単体でも読めなくはないですが、前作から順番に読むことを強くすすめます。前作があってこその糖度の高さです。
Q. 攻めのキャラはどのくらい重め・執着強めですか?
重さというよりスパダリ寄りの溺愛です。独占欲は見えますが、重たく追い詰める系ではなく、余裕を持ちながらレイナを甘やかす方向です。執着の圧力よりも「お前は俺のもの」という既成事実感の積み上げ方が特徴的です。
Q. えっちシーンの割合とハードさはどのくらいですか?
本編202ページのうち、えっちシーンはかなりの比率を占めます。ハードさは中程度で、淫紋や体格差を活かした描写が中心です。凌辱や強制要素はなく、恋人同士の合意ある関係です。ラブコメパートとえっちパートが交互に来るテンポです。
TL同人文庫 編集部
TL同人レビュー班
月100作以上を読み込むTL同人専門チーム。実際に通読したうえで本音で評価しています。
4.2
- エロ
- 4.1
- ストーリー
- 4.2
- コスパ定価基準
- 4.3
- 読後感
- 4.2
両想い後の「障壁をどう越えるか」をちゃんと描いた、シリーズ続編として誠実な一冊です。定価1320円で317ページという構成はボリューム面での不満が出にくく、体格差純愛ラブコメとファンタジーえっちを両方求める読者に向いています。