年下上司、泣かせにいったら逆に崩される
泣かせたい側が泣かされる、というより、崩されていく。年下なのに上司、上から目線なのに妙に色気がある、そういう男を自分のペースでひんひん言わせてやろうとした女が、気づいたら朝を迎えていた――。主導権を握りにいく女性目線のTLってあまり多くないんですが、この作品はそっち側の欲求をかなり正確に拾っています。
「上から目線の年下上司を私がひんひん泣かせたい」のあらすじ
職場の年下上司・古賀は、いつも上から目線で少し意地悪な顔をしている。そういう男を泣かせるのが好きな主人公・福田は、飲み会の流れで古賀を二次会と称して自宅へ引き込むことに成功します。でも翌朝、肝心なはずのセックスの記憶がない。何があったのかわからないまま、もう一度仕掛け直すことにした福田。ところが古賀の反応はどこか腑に落ちない様子で、言葉責めのテンポも予想外の方向へ転がっていって……
「上から目線の年下上司を私がひんひん泣かせたい」の読みどころ
シチュエーション
年上の女性が年下の上司を攻略しにいく、という立場逆転の設定がベースです。職場・飲み会・自室と場面が動くなかで、主導権の所在がじわじわとズレていく。主導しているようで実は揺さぶられている、という構造の気持ち悪さ(良い意味で)が29ページのなかにきちんと収まっています。
心理描写
福田の動機が『泣かせたい』という能動的な欲求から始まるのが珍しい。でも古賀に前戯の話を突かれた瞬間、その欲求がうまく機能していなかったことを自覚させられます。自分が攻めているつもりが、相手に読まれていた、という気づきのタイミングの描き方が丁寧です。
絵柄・演出
劇画寄りの繊細な線で、男性キャラの表情と手元の描き込みが特に丁寧です。アップのコマが多く、古賀の目の色気と口元の意地悪さが交互に迫ってくる構成になっています。視覚的な過激さは控えめですが、表情の変化だけで場の空気がぐっと動くコマが何枚かあります。
「上から目線の年下上司を私がひんひん泣かせたい」のストーリー展開
- 序盤
- 職場での古賀の上から目線な態度が描かれ、それを泣かせたいという福田の動機がさらっと語られます。飲み会から二次会への誘導まで、テンポよく進んで読みやすいです。
- 中盤
- 記憶が飛んでいたことへの戸惑いと、もう一度仕掛け直す展開が続きます。古賀の言葉責めのペースに引き込まれながら、主導権が微妙にズレていく感覚が積み重なっていきます。
- 終盤
- 攻めているつもりだった側が、静かに揺さぶられていく。どちらが泣かせたかったのか、という問いが最後にじわりと浮かぶような着地になっています。
「上から目線の年下上司を私がひんひん泣かせたい」が刺さるのはこんな人
- 年下攻めより自分が攻めにいく側の展開が好きで、でも崩される過程も読みたい人
- 言葉責めとスパンキングがセットで刺さる人
- 絵柄の過激さより表情と心理の動きで読む派の人
「上から目線の年下上司を私がひんひん泣かせたい」を読んだ感想
まず前置きとして、乳首描写の濃度はかなり抑えめです。断面図タグはついていますが、視覚的なエログロさより心理描写の比重が高い作品なので、そこを期待して買うと少し拍子抜けするかもしれません。ただ、表情と言葉のやりとりで読む派には刺さります。
乳首描写そのものは淡白ながら、前戯の場面における手の位置や目線の角度の描き方が細かくて、身体への意識の向け方はきちんとエロいです。過激さで押すより、間合いで見せるタイプの作画です。
感度変化という点では、福田のほうが面白い。最初は『泣かせてやる』という余裕がある。でも古賀に『なんで前戯の時だけSなの』と指摘された瞬間、その余裕がすっと引いていきます。攻めているつもりが読まれていた、という気づきが表情のアップで来るので、そのコマは結構じわじわ来ます。自分が揺さぶられていることに気づいていく過程が、感度の変化として機能しています。
作画については、古賀の目と口元の描き分けが上手いです。意地悪な顔をしているときの目の細め方と、言葉責めで畳みかけてくるときの少し違うトーンが、アップのコマで交互に切り替わります。余白多めのコマ割りなので、密度で押すタイプの作品ではないですが、1コマあたりに情報を詰め込みすぎない分、顔の表情だけで場の緊張感が動くシーンが機能しやすくなっています。
このサイトを深夜に開いている人に刺さるとしたら、主導権の綱引きの描き方だと思います。女性側が能動的に仕掛けにいくTLって実はあまり多くなくて、でもこの作品の福田は最初から攻める気満々で動いています。そのくせ、気づいたら相手のペースに乗せられていた、というズレ方が29ページの中でじわじわ積み上がっていく。崩されるのが好きな人にも、崩しにいく側を読みたい人にも、それぞれ別の刺さり方があると思います。
330円という価格帯でこの心理描写の密度は悪くないです。ただしボリュームは短編なので、長編の読み応えを求めるなら別作品と組み合わせるのが良さそうです。
「上から目線の年下上司を私がひんひん泣かせたい」のよくある質問
Q. 絵柄はどんな系統ですか?萌え系ですか?
劇画寄りの繊細な線で、いわゆる萌え系のふわっとした絵柄とは少し違います。人物の輪郭がしっかりしていて、特に男性キャラの目と口元の描き込みが丁寧です。表情のリアリティを重視した系統なので、好みが分かれるタイプの画風だと思います。
Q. 攻めのハードさはどのくらいですか?スパンキングや言葉責めの強度が気になります
言葉責めは心理的な揺さぶり寄りで、罵倒系の強さはあまりないです。スパンキングもハードな痛責というより関係性の駆け引きの一部として機能しています。全体的に、行為の強度より言葉と表情のやりとりで読む作品なので、激しさ重視の方には物足りないかもしれません。
Q. 29ページで読み応えはありますか?
短編なので1回でさらっと読み終わります。ただ余白多めのコマ割りとアップ中心の構成なので、情報量が薄いわけではないです。心理描写と関係性の動きを追うのが好きな方なら、短くても満足感はあると思います。繰り返し読むより一気に読む作品です。